仏教が説く断人頭経、好戦経、堕胎経(中絶経)など、殺人、殺生、虐殺に関するお経について

仏教経典「国訳一切経 印度撰述部 阿含部二巻 大東出版社」という書籍の中の雑阿含経第十九に、屠殺(殺生)に関するお経がある。

その経典には屠牛者経 屠羊弟子経 好戦経 堕胎経 猟師経 殺猪経 断人頭経 捕魚師経等の屠殺や殺生に関するお経が書かれている。

そのお経に共通する主な内容は生前(生きている間)において人間や動物達等の生き物の屠殺(殺す事)、殺生(生き物を殺す事)を行った者がその死後においてその屠殺、殺生を行った罪業(罪障)の報いにより非常に長い年月の間地獄(大きな悩み苦しみ憂い悲しみの世界 極めて苦しい激痛の世界 獄卒(地獄の鬼達)により責め立てられ苦しめられる極めて悲惨な世界)に赴き多くの様々な激しい苦しみを受けその地獄より出てきた後にもその屠殺や殺生の余罪により様々な生き物達(カラス 狂暴な犬 キツネ ワシ等)に内臓をついばまれ食われその激痛に苦しみ泣き叫んでいる様子が書かれている。

殺人行為を犯した者の死後の業報、報いについて漢訳仏典、雑阿含経第十九巻(大正新修大蔵経 第二巻 阿含部下 大蔵出版 136ページ下段)、国訳一切経 阿含部2 大東出版 雑阿含経第十九巻の断人頭経、南伝大蔵経 十三巻の中の断人頭経というお経において次のように説かれている。

「一時、仏、王舎城に住まり給えり、その時、我(目連尊者)は道中(路中)において、頭が無い一大身の衆生(生き物、霊体)を見た。その霊体は両肩に眼が生じ、胸に口があり、身体より常に血を流し、諸々の虫がその体をついばみ、獲食し、その生き物の身体は骨髄に徹する程の痛みを受け、苦しんでいるのを見た。」
仏陀釈尊は目連尊者の見聞した事の内容をお聞きになり、この衆生(生き物)について諸々の比丘(修行者)に次のようにお説きになられた。

「この衆生は生前(この世で生きている間)に、この王舎城において好んで人の頭(首)を切断し殺害した。この罪によるが故に、この衆生は既に百千歳、地獄の中に堕ちて無量の苦しみを受け、その後、更にこのような身体を受け、このようなひどい苦しみを受けるのである。諸々の比丘よ。目連尊者の所見(見聞)は真実にして異ならず。まさにこれをよく受持すべし。」と。

また、仏教のお経の阿含経に「好戦経」というお経がある。

戦争を好み刀等の武器によって人々を悩まし、苦しめ、傷つけ、殺したりした者が死後その罪の報いにより膨大な期間、地獄に落ち、激烈な痛み、猛烈な苦しみに遭遇し、すすり泣き、号泣している悲惨な状況の姿が説かれている。

さらにまた、「堕胎経」というお経もある。その内容は胎児を中絶堕胎殺害した者、又させた者(男女を問わず)が死後その堕胎した又させた罪の報いにより膨大な期間、地獄で苦しんでいる状況が説かれている。

「好戦経」 「堕胎経」は「国訳一切経 印度撰述部 阿含部二 大東出版社」の中の雑阿含経 第十九に又「大正新脩大蔵経 第二巻 阿含部下 大蔵出版」の中の雑阿含経 第十九の中に説かれている。

「好戦経」「堕胎経」を一般の方々に対し非常に分かり易く解説した書籍に「間脳思考 桐山靖雄著 平河出版」という書籍があり、その書籍の中において「好戦経」「堕胎経」を非常に分かり易く説かれている箇所がある。

次に、屠牛者経を例に挙げるとそのお経の概要は釈尊の高弟の目連尊者がある日の托鉢中において鷲 烏 飢えた犬等の姿をした霊的な生き物にその内臓を食いつばまれ、すすり泣き苦しんでいる奇怪な姿をした霊的な生き物を見た。

目連尊者はその奇怪な姿をした霊的な生き物について托鉢から帰った後に釈尊に尋ねると釈尊はこう説かれた。
「目連尊者のように正しい修行を行い正しい修行によりある一定のレベルに到達するとこのような存在を見る事が出来る。
またその奇怪な姿をした霊的な生き物は生前(生きている間)において牛の屠殺を行っていた者であり死後その屠殺を行った罪の報いにより地獄に生まれ巨大な年数の間 様々な大きな苦しみ激痛を受け更に地獄における巨大な年数の間の多くの苦しみ激痛が終わってもなおその屠殺を行った余罪にて 鷲 烏 飢えた犬等の霊的な生き物達にその内臓を食いつばまれ、すすり泣き、泣き叫んで苦しんでいる。 また我(釈尊)もまたこの衆生(生き物)を見る」という内容の事が説かれている。

ところで、話は変わるが、日本に放生会(ほうじょうえ)という行事がある。
殺される運命にある生き物を助け逃がしてやる行事だ。

殺生を戒める宗教儀式で仏教の不殺生戒(生き物を殺してはいけないとういう戒律)から神仏習合により神道にも取り入れられた。

例えば殺される運命にある捕えられた鳥を大空に逃がしたり又捕えられた魚や亀などを海や川や池に逃がしてやる行事だ。とても功徳のある行いだ。

「日本人が知らない本当の道教  三多道長著」という書籍でその事について書かれている。各神社、各お寺でも実施している所があるそうだ。
京都府の石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)や奈良県生駒郡(ならけん いこまぐん)斑鳩(いかるが)町にある吉田(きちでん)寺、大分県宇佐市にある宇佐神宮,福岡県福岡市東区箱崎にある筥崎宮(はこざきぐう)(筥崎宮では「ほうじょうや」とよぶ)全国の八幡宮(八幡神社)でも行われている。
詳しい事は「仏教行事歳時記 9月 放生 監修 瀬戸内寂聴、藤井正雄、宮田登 第一法規出版株式会社」という書籍に書かれている。

書籍「南伝大蔵経 第十三巻  大蔵出版」 参照。

書籍「大正新修大蔵経 第二巻 阿含部下   大蔵出版」参照。

書籍「大正新修大蔵経 第二巻 阿含部下 大蔵出版」参照。

秘密曼荼羅十住心論 (書き下し文)「空海 日本思想大系 岩波書店」参照。

秘密曼荼羅十住心論 (原文)(弘法大師空海 著)「空海 日本思想大系 

岩波書店」参照。

「国訳一切経 阿含部二 大東出版社」参照。

「国訳一切経 阿含部二 大東出版社」参照。

「国訳一切経 阿含部三 大東出版社」参照。

書籍「タイの地獄寺」参照。