怒りや憎しみの感情と日々の食生活との関連性についての話

パーリ仏典「サンユッタ 二カーヤ」において

仏陀はこうお説きになられている。

「怒りを断ち切って安らかに臥す。

怒りを断ち切って悲しまない。

その根は毒であり、その頂きは甘味である怒りを

滅ぼすことを聖者達は称賛する。

それを断ち切ったならば、悲しむことがない」

また漢訳仏典の大正新修大蔵経第二巻阿含部下、

雑阿含経第三十二巻において仏陀は

つぎのような主旨の法話を説かれている。

「嗔恚(しんに)を離れるを善と成す。

嗔恚及び驕慢(きょうまん)を

生じることがないようにせよ。」とある。

つまり、怒り、激怒,うぬぼれ,慢心の心を

起こさないようにせよ。

という主旨の内容が説かれている。

さらに、パーリ仏典「サンユッタ 二カーヤ」において

仏陀(仏様)はこうお説きになった。

「愚者(おろかもの)は荒々しい言葉を語りながら

「自分が勝っているのだ」と愚者は考える。

しかし、真理を認知する人がそしり

(悪口、中傷誹謗,罵詈雑言、罵倒)を

耐え忍ぶならば、

(耐え忍ぶ)その人にこそ勝利が存在する。

怒った人に対して怒りを返す人はそれによって

いっそう悪をなすことになるのである。

怒った人に対して怒りを返さないならば

勝ち難き戦にも勝つことになるのである。

他人が怒ったのを知って気をつけて

静かにしているならば

その人は自分と他人の両者の為になることを行っているのである。

理法(真理)に通じていない人々は

「その者(怒りを返さない者)は愚者(おろかもの)だ」

と考える。

パーリ仏典「スッタニパータ」において仏陀曰く

「罪がないのに罵(ののし)られ、殴(なぐ)られ、

拘禁(こうきん)されるのを耐え忍び、

忍耐の力あり、心の猛き人、

彼を私はバラモンという。

さらに、漢訳大蔵経の中の阿含経及び

南伝大蔵経において、

仏陀釈尊は次のようにお説きになられている。

「比丘(修行者)たちよ。まさに一法を断つがよい。

一法を断たば、汝ら必ず煩悩を滅し尽くして

聖者たることを得るであろう。

その一法とはなんであろうか。

いわゆる瞋恚(しんに)(怒り)がそれである。

比丘(修行者)たちよ。まさに瞋恚(怒り)を断たば、

汝ら必ず煩悩を滅し尽くして

聖者たることを得るであろう」

「瞋恚(怒り)にかりたてられて、

人は悪しき処におもむく。

まさにつとめて瞋恚(怒り)を捨つれば、

すなわち煩悩滅尽して聖者たらん。」

「雑言と悪語とを語って愚かなる者は勝てリという。

されど誠の勝利は堪忍を知る人のものである。

怒る者に怒り返すは悪しきことと知るがよい。

怒る者に怒り返さぬ者は二つの勝利を得るのである。

他人の怒れるを知って正念に自分(自分の心、精神、感情)

を静める人は、よく己(自分)に勝つとともに

他人に勝つのである。」

ところで、「健全なる肉体には健全なる精神が宿る」

ということわざがある。

健全な精神生活を過ごす為には充分な睡眠、健全な食生活、

バランスの取れた栄養の摂取等が重要であると思われる。

暴力的、怒り易い、イライラし易い、

キレ易いなどの精神状態に至る原因は様々であるが、

そのひとつの原因は乱れた食生活、

アンバランスな栄養状態にその原因があると考えられる。

「食事で治す心の病 心・脳・栄養 新しい医学の潮流

大沢 博著 第三文明社」という書籍がある。

その書籍のなかでコーラが大好きで砂糖入り缶コーヒーを

一日十本以上飲むような偏った食生活をしていた若者がいた。

以前から突発的な発作的暴力を起こしたりしていた。

それを心配したその若者の母親が著者(大沢 博)に

電話で窮状を訴えたところ、

バナナを食べさせなさいというアドバイスを与えられた。

母親はその若者にバナナを食べさせ、

一時間後に母親から電話がありバナナを食べさせたら、

一応落ち着きを取り戻した

という報告があったという。

またその他の事例で低血糖症、

インスリン過剰分泌症の若者がひどい頭痛を訴えた。

しかし著者のアドバイスによりバナナの摂取をしたところ

頭痛が収まった事が書かれている。

次に、イギリスでは、日本の少年鑑別所のような非行少年を収容して、

矯正する強制施設での食べ物による実験の記録が紹介されていた。

まず、収容された非行少年少女を二つのグループに分け、

一つのグループには精白した材料を使った食べ物を与えた。

精白すなわち白パン、白砂糖 その他、精白したものを与えた。

そして野菜を少量にして肉を多く与えた。

与えられた連中はみんな大喜びであった。

すると、二、三日も経たないうちに喧嘩が起こる、

いがみ合いはするなど大騒ぎになった。

収容がつかないほど騒然となってきた。

そういう素因をもった連中ばかりが集まっている施設であるから、

言う事を聞かなかったり反抗したりするのは

やむを得ないといえばいえるが、

その度合いが日増しに激しくなっていった。

ところがもう一方のグループには、黒パン、黒砂糖、

その他精白しないもの、あるいはヨーグルト、

野菜、果物などを主とした食べ物を与えていた。

すると、こちらは一週間くらいでみんな行儀よくなって

反抗しなくなった。

物事の道理が理解出来るようになった。

その為みんな従順になってきた。

次に、「日本食長寿健康法 川島四朗 新潮文庫」

という書籍に次のような記述がある。

「日本とイギリスは同じ島国であるが、

日本本土は火山国であるため、

その土壌の質は酸性でありカルシウムは少ない。

一方イギリス本土は 海底がせり上がった島で

その土壌の質はアルカリ性であり

カルシウムが豊富に含まれている。

そのため日本の水、食物を摂取する場合において意識的に

カルシウムの豊富な食べ物を日常的に

多く摂らなければならないと考えられる。

カルシウムが豊富に含まれている食べ物は

様々であるが、

特に胡麻(ゴマ)、わかめ、ひじきにカルシウム、

ミネラルが豊富に含まれていることが

分かっている。」

また、その書籍において

「カルシウムをたっぷり与えられたオリの中のネズミは従順だが、

カルシウムの欠乏したオリの中のネズミは気が荒く、

凶暴で体重を量ろうとオリに手をいれた時に

ネズミに噛みつかれることもしばしばであった」

という事が書かれている。

このことはネズミだけではなく人間においても

あてはまるのではないだろうか。

カルシウムは人間の精神安定と密接に関係がある事が

現代栄養学において解明されている。

以上のことから健全な精神生活には健全なる食生活が

必要不可欠と考えられる。


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