仏教のお経、真言をお唱えする事のご利益と意義と重要性

真言宗の開祖、弘法大師空海様の処女作「三教指帰」の中に

「谷響きを惜しまず明星来影す」という一文が説かれている。

具体的に説明すると、若き頃の弘法大師空海様が「虚空蔵菩薩求聞持法」という密教の修行法を修行中、四国の室戸岬の洞窟内で非常に特殊な神秘体験をした事は古来から有名な話です。

その特殊な神秘体験を「谷響きを惜しまず明星来影す」という表現でこの神秘体験を表現されています。

求聞持法を修行中の若き頃の弘法大師海様

求聞持法を修行中の若き頃の弘法大師海様

    虚空蔵菩薩様ご尊影

この「虚空蔵菩薩求聞持法」の正式名称は「虚空蔵菩薩能満所願最勝心陀羅尼求聞持法」とお唱えしますが、この修行が成就すると様々なご利益、霊験があると伝えられている。

この修行の主たる内容は、虚空蔵菩薩様のご真言

「のうぼう あきゃしゃぎゃらばや おんありきゃ まりぼり そわか」
というご真言を百日間の間に百万回唱えるという修行法であり、

大正新修大蔵経密教部にも「虚空蔵菩薩能満所願最勝心陀羅尼求聞持法」として詳しい修行方法が記載されています。

次に、阿含宗開祖 桐山靖雄大僧正猊下(1921~2016)が若い頃、人生の苦悩の末、自殺をしようとした事が自身の著作「般若心経瞑想法 桐山靖雄著 平河出版社」に書かれている。

  阿含宗開祖 桐山靖雄大僧正猊下

そこから救われた体験談が「般若心経瞑想法」や「さあやるぞかならず勝つ⑩」という書籍に書かれている。

その書籍によると事業の失敗による莫大な借金と結核の再発に見舞われた事により前途を悲観し自殺を決意し自殺を決行しようとした直前、ふと目にした小経本で自殺を思いとどまり生きる事を決意した経緯が記されている。

その小教本には般若心経や準提観音経そして延命十句観音経等のお経が書かれており準提観音経には

「寂静にして心常に誦すれば一切諸々の大難能く是の人を侵すこと無し」という文言が書かれていた。

桐山管長はこのお経を信じ準提観世音菩薩様のご真言

「のうばさったなん さんみゃくさんぼだくち なんたにゃた おんしゃれい しゅれい じゅんてい そわか」

を何回も何回も毎日唱えていたそうです。

多い時には一日千回ちかくも唱えていたそうです。

そうするとだんだん自身の運気が変わっていき運勢や環境が 良くなっていき自殺する必要がなくなっていったそうです。

密教大辞典(法蔵館刊)という書籍に、この準提陀羅尼(準提観世音菩薩様のご真言を読誦 唱える事)の功能(功徳 ご利益)として次のように書かれている。

「準提陀羅尼経によれば薄福無善根(福徳が薄い)の衆生(生き物)もこの陀羅尼(準提陀羅尼)を誦すれば(唱えれば)菩提分(さとり 等正覚 完全解脱成仏)の根芽(種子 基礎)を生じ決定して菩提(さとり、等正覚、完全解脱成仏)を成就せん(出来る)と云い、

その他、聡明、勝諍論、夫婦敬愛、他人敬愛(他人から愛される)、求児、延命、治病、滅罪、降雨、脱禁鎖等を祈ると験(効験)を得。悪鬼悪賊の難を逃れる事(が出来る)を説く。後略」とある。

真言密教伝持八祖の内の第五祖 インドの高僧であった善無畏三蔵の伝記に次のように説かれている。

真言密教伝持 第五祖 

善無畏三蔵法師

「商人と善無畏三蔵が航海中、船上において商人が盗賊に襲われた際に善無畏三蔵が準提呪の黙誦をすると準提観世音菩薩様が全身のお姿を現され商人を盗賊の難から救った。」とある。

          仏母準提観世音菩薩様ご尊影

準提観世音菩薩様に関するお経は、大正新修大蔵経(密教部 大蔵出版)及び国訳一切経 (印度撰述部 密教部 大東出版社)の中に七倶提佛母所説準提陀羅尼経というお経が説かれている。

準提観世音菩薩様は密教の仏様であり別名準提如来ともお呼び致します。

密教の流派では如来部に属すると主張したりまた別の流派では観音部に属すると主張したりして解釈が分かれています。

さてこの仏様の密教での呼び名つまり密号は最勝金剛ともお呼び致します。
最勝金剛とは最も優れた仏という意味であります。

この仏様は別名を七倶提仏母(しちくていぶつぼ)ともお呼び致します。

七倶提(しちくてい)とは七億または七千万という意味でつまり無量無数を意味し仏母とは仏の母という意味つまり無量無数の仏の母という意味です。

「密教大辞典 法蔵館刊」によると「過去無量の諸仏の母たる清浄陀羅尼を司る尊を七倶提仏母と名ずく」

準提とは梵語のチュンディの音写で意味は清浄という意味でありこのご真言は清浄陀羅尼ともいわれます。

このご真言から過去無量無数の仏様が生まれたと伝えられています。

「龍神が翔ぶ―家運をよくする守護神・守護霊の持ちかた (単行本)桐山 靖雄 (著) 」という書籍でも準提観音様の事が記されています。

次に、延命十句観音経について説明すると、「白隠禅師法語全集 八重葎 延命十句経霊験記」という書籍に次のように説かれている。

「昔、ある男がいた。ところがある日処刑される事になった。 そして処刑前夜その男の夢に僧侶が現れ「延命十句経を千返唱えると命は助かる」と夢で教えられ明け方までこのお経を千編唱えた。

ところが同じ処刑前夜に別のある男の夢に観音様が現れ「この処刑を中止しなさい。そうすれば立派な徳行になるでしょう。

さもなくば大災厄がふりかかるであろう」というお告げを聞いた。

またその他の処刑実行者も同じような夢を見た人がおり処刑を中止した」という話がある。

延命十句経に関する霊験談がこの本では他にも書かれていて興味深い。

延命十句観音経(えんめいじゅっくかんのんきょう)
「観世音(かんぜおん)
南無仏(なむぶつ)
与仏有因(よぶつういん)
与仏有縁(よぶつうえん)
仏法僧縁(ぶっぽうそうえん)
常楽我浄(じょうらくがじょう)
朝念観世音(ちょうねんかんぜおん)
暮念観世音(ぼねんかんぜおん)
念々従心起(ねんねんじゅうしんき)
念々不離心(ねんねんふりしん)」
とお唱えし致します。

さて、ところで、仏教には般若心経というお経が有名であり、世間一般に広く知られており、様々な宗旨宗派においても盛んにお唱えされているが、

阿含宗開祖の桐山靖雄大僧正猊下は自身の著作「般若心経瞑想法 桐山靖雄著 平河出版社」の中で、その般若心経について次のようにお説きになられている。

「玄奘三蔵訳の般若心経は頭で考えて作った経典ではなく霊感によってほとばしり出た経典であり、ぱぁっと霊感によって出てきた文言をそのまま、文字にして放り出したという感じである。

ことに、さいごに突然、出てきている呪(マントラ)などをみると、強くそういう感じがする。

この経典は経典というより、全体がマントラではないかと思うのである。

この経典作者は観音信仰者だったのではなかろうか?

マントラ、ダラニは一心に、ただひたすらに、一心にとなえることによって偉大な力をさずけてくれるのである。

マントラ、ダラニに理くつはない。

人間の子賢(こざか)しい知慧を越えた不思議な力がある。

神秘としかいいようがない奇跡を起こす力がある。

ただ一心に心をこめて祈り、誦すればよいのだ。

あなたもそのようにして偉大な功徳をいただいてほしい。」

と解説されている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です