仏教国チベットの方々の深い哀しみと、因果応報の観点から予測する中国の今後の悲観的な未来予測

チベットにおいては1949年、中国共産党によるチベット侵略によりチベットの法王ダライ・ラマが母国チベットを追われインドに亡命した。

また、チベット国内の多くの仏像が中国共産党により破壊された。

その後、チベット、中国はどうなっていくのだろうか?

現在、仏教国チベットの状況は悲惨な状況である。

『チベットの主張:チベットが中国の一部という歴史的根拠はない。(TIBET WAS NEVER A PART OF CHINA)』という書籍に現在のチベット、チベット人、及びチベット仏教の悲惨な状況について書かれている。

その書籍の前書きには次のように記されている。

「この度、集広舎より、『チベットの主張:チベットが中国の一部という歴史的根拠はない。(TIBET WAS NEVER A PART OF CHINA)』を日本語訳に出版できたことを嬉しく思います。

チベット亡命政権がチベット内に暮らすチベット人の情報源をもとに収集して真実を伝える貴重な報告書であります。

・・・中略・・・

世界中の方々が絶賛して下さるチベットの仏教文化を、私たちはなんとしても守らねば、と考えております。

特にチベット本土の若者たちのチベットの仏教文化を守ろうという思いは、以前にも増して強くなっております。

多くのチベット人の若者を焼身抗議に駆り立てているのは、中国政府によるチベット仏教文明、言語、アイデンティティの弾圧である。

中国政府はチベット仏教にまで介入しており、チベット仏教の指導者の認定まで行おうとしている。

中国共産党の下で働いたことのあるチベット人の多くが、中国共産党によるチベットの統治を以下のように評している。

最初の10年(1950年~1960年)で領土を失った。(中国共産党によるチベット侵略)。

次の10年(1960年~1970年)で政治的な力を失った(チベット政府は中国共産党に取って代わられた。

その次の10年(1970年~1980年)で文化を失った(文化大革命により、チベットの信仰は破壊された)。

その次の10年(1980年~1990年)で経済を失った(漢人移民がチベット人の職を奪った。)

上記の評価は、チベットの多くの若者が焼身抗議に駆られる理由を示している。

彼らは、日々、中国政府によるチベット仏教文明、言語、アイデンティへの止むことのない弾圧を目にし、経験しているのだ。

中国政府は、今、チベット仏教の指導者の任命にも介入している。

中国政府は、ダライ・ラマ法王を非難し、僧侶や尼僧に対し、ダライ・ラマ法王を非難するよう強要している。

漢人移民がチベットに流入し、チベット人の職、土地、未来を奪っている。

チベットの町は中国化している。

こうした状況に、チベット人は警戒と恐怖を覚えている。

遊牧民は家畜を奪われ、草原を追われ、都市に定住させられている。

その結果、遊牧民時代は自立していた世帯が、収入を失い、貧困にあえいでいる。

また、大規模開発もチベット人にはほとんど恩恵がない。

チベットの天然資源が、資源に乏しい中国東部に運ばれている。

チベットの中国化が進み、チベット人は先祖代々の土地で二流市民となりつつある。

中国政府による止むことのないチベットの弾圧、そして、それを見て見ぬふりをする世界について、研究者のデイヴィッド・スネルグローブとヒュー・リチャードソンが著書『チベット文化史』の中で述べている。

両氏は執筆に至った動機を次のように述べている。

今、私たちにはこの本を書く責任があります。

今、私たちの目の前で、チベットの文明が消えようとしているのです。

しかし、世界ではこのことに対して、ほとんど抗議の声があがっていません。

大多数の人が見て見ぬふりをしています。

かつて、多くの文明が衰退し、統合されてきました。

それと同じことが今まさに起きているのです。」

中国政府は、チベットに出入りする情報を遮断しており、その遮断具合は強まっている。

2016年のアメリカ国務省の人権報告書には次のように記されている。

ジャーナリストにとって、チベット自治区は北朝鮮よりも行きにくい場所だ。(ワシントンポスト、2016年9月)

中国政府は、チベットへの外国人ジャーナリストの立ち入りを厳しく規制している。さらに海外に情報を伝えようと外国人ジャーナリストと話をしたチベット人、電話、メール、インターネットで抗議に関する情報や中国政府への不満を伝えたチベット人は、嫌がらせを受けたり拘束されたりしている。

チベット自治区に立ち入ることができた外交官やジャーナリストはほとんどおらず、立ち入れたとしても現地当局の厳しい監視下に置かれる。

国境なき記者団は、習近平を「インターネットの敵」、「報道の自由を蝕む者」と位置付けており、「2012年に習近平が国家主席になってから、中国では自由が著しく後退した」と述べている

チベット難民が暮らすインドのダラムサラを毎年訪ねるようになってから10年がたつ。

この間、色々な人に会い、証言を聞いた。彼らは、ダライ・ラマ法王から、「証言をするときは、ありのままを話しなさい。

決して誇張してはならない。」

と言われているのだという。

そのようなダライ・ラマ法王の教えのためか、本書はチベット側の主張をまとめたにもかかわらず、チベットに過度に肩入れしていると思われる箇所はない。

事実に忠実に基づいて書かれている。

本書の意義の一つは、21世紀の出来事についても網羅的に書かれている点だ。

21世紀のチベットの出来事を包括的にまとめた書籍は世界的に珍しい。

これにより、本書は、今なおチベット人が苦しんでいるというメッセージになっている。

本書の情報源の多くは、チベットに暮らすチベット人だ。

しかし、彼らが世界に情報を届けるのは年々難しくなっている。

焼身抗議などの大きなニュースがあれば、中国当局は、その地域の通信をただちに遮断する。

海外に情報を送ると有罪になる。

それでも、チベットから命懸けで情報を送ってくれる人がいる。

そのような情報を私たちは決して無駄にしてはならない。

中国政府は、チベット人が発信する情報を遮断する傍ら、中国政府の立場の情報を発信し、真実を歪めている。

例えば、本書106ページに登場するテンジン・デレク・リンポチェは、「ダライ・ラマ一味による、 扇動で爆発事件を起こした」という罪を中国当局から着せられ、投獄された。

当時、テンジン・デレク・リンポチェは、中国当局からの厳しい監視下にあった。

そのような中で、爆発事件を引き起こすことはまず不可能といっていい。

動機もない。

また、テンジン・デレク・リンポチェの家族が選任した弁護団による弁護は裁判所から拒否された。

裁判所は、「テンジン。デレク・リンポチェが自分で弁護士を選任しており、本人が選任した弁護士が優先される。」と説明した。

しかし、この「テンジン・デレク・リンポチェが選任した」とされる弁護士がそもそも実在したのか、きわめて疑わしい。

そして、裁判は非公開で行われ、判決が下された。

テンジン・デレク・リンポチェの死の状況もはなはだ不審である。

後に亡命したテンジン・デレク・リンポチェの姪(めい)のニマ・ラモは、「遺体は唇も爪も真っ黒でした。

あんな遺体は見たことはありません。

自然死ではありません。

毒殺の可能性が高いです。

中立な国際機関に真実を調査してほしいです。」と涙ながらに語った。

ニマ・ラモは、高齢の母親と当時6歳の娘をチベットに残して亡命した。

「海外で証言すると、チベットに残してきた家族に危害が加えられるのではないですか?」と尋ねると、「家族の問題は小さな問題です。大事なのは、叔父の真実です。

叔父の真実を突き止めることが一番大事だと家族で決めたのです。」と彼女は語った。

チベット人が真実を伝えるには想像を絶するほどの困難が伴う。

チベット人に話を聞いた後、決まって言われることがある。

「私たちの話を一人でも多くの人に伝えてください。」と。

ところで、日本の安土桃山時代、日本国内で天下を取った織田信長は比叡山焼き討ちを挙行、また、同じく日本国内で天下を取った豊臣秀吉は高野山を攻めた、いわゆる高野攻めを敢行、織田信長や豊臣秀吉の末路はどのようなものだったか?

一方、徳川家康の家訓に「仏神を尊ぶべし」という家訓が徳川家の家訓の冒頭に書かれている。

その徳川家康は江戸幕府を開き、一代将軍の徳川家康から徳川十五代将軍まで徳川政権が264年続いた。いわゆる約260年以上にわたる徳川長期政権が誕生した。

その徳川政権時代、日本において、約260年にわたる平和な時代、世界ではミラクルピース(miracle peace)と言われるほど驚くべき長きにわたる平和な時代が続いた。

その後、江戸時代が終焉を迎え、明治時代が始まり、その明治の初め頃、日本において廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)という仏教弾圧があった。

廃仏毀釈とは、例えば、仏像を破壊したりする行為などの仏教を破壊する行為を意味する。

一説では、廃仏毀釈が起きた遠因として、当時の寺院の僧侶の甚だしい堕落に対する民衆の猛烈な反発心から廃仏毀釈が起きたという説もあるが。

1868年の廃仏毀釈政策を行った日本政府はその後、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変、日中戦争、太平洋戦争(大東亜戦争)と次から次へと転げ落ちるように戦乱の渦に巻き込まれ最終的に、1868年から数えて約77年後の1945年、東京大空襲、広島、長崎への原子爆弾の投下など酷い目に遭っている。

私の個人的な結論としては、偽りを言わず真実を語り、仏神を尊ぶ国は最終的には栄え、偽りを語り、他人をだまし、仏神を粗末にする国は一時的に繫栄しても最終的には壊滅的な被害を被るように思う。

 

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